最近は自治体のプロモーションにも様々な媒体が利用され、自治体が動画を作って配信するのも一般的になってきましたよね。
わたしの地元のほど近いところにある兵庫県宝塚市。交通の便が良く、宝塚歌劇もあったりと元々魅力的な街なのですが、このたび宝塚市シティプロモーションが公開したPR動画がかなりいろんな意味で魅力的でしたのでご紹介します!動画の出演者などの情報もありますよ。
Contents
出会いは突然だった…
先日、なにげなく情報番組の「ミヤネ屋」を見ていたときのこと。
お茶でも飲もうかとキッチンでお湯を沸かしていると、なにやら聞き慣れない華やかな音楽がテレビから流れてきました。
「なになに、新しいCMかな?」とテレビ画面を見てみると衝撃の映像が…。
なんぞこれ…!
ウエストサイドストーリーばりに足を高く上げながら、晴れやかな表情で歌い踊る人たち…。
主役らしき爽やかな男性が女性をくるくる回しているのを見ながら「洗剤かなにかのCMかな…?」と思いながらもよく見ると、背景に映っているのは見覚えのある宝塚の景色。
少し動揺しながら「宝塚にあるマンションか分譲地のCM…?」と思い見続けると最後に表れたのは宝塚市の文字。
自治体のプロモーションだった…!
ネット(YouTube)で動画が見られるよ
もう一度落ち着いて動画を全編見たい…!
あまりの衝撃に文字装飾多めでお送りしてるこのブログ記事ですが、もちろんCMを見た後、ネットで検索しましたとも。
そして、見つかったのがこちら。
甲山(かぶとやま)を背景に宝塚の街並みを見下ろす高台で見つめ合うふたり。そして重ねられるのは「Love and City」の文字。意味がさっぱりわからない!
この公式サイトには、本編・60秒版・30秒版・15秒版の4種類の動画が公開されています。
テレビでCMとして流れていたのは30秒版で、先にも書いたように、にこやかな男性を中心にとにかく歌って踊るというもの。
それに対し60秒版(↑)を見てみると、踊りは控えめ。
宝塚に縁のある方なら「あ~、あの場所だ!」と思う宝塚らしいスポットを男女が楽しそうに散策するという、どちらかというと(歌も踊りもありますが)オーソドックスな街紹介といった雰囲気です。
さて、問題は11分半とかなりの長編でもある本編。
11分以上も飽きずにみられるかなあ、と思いつつ視聴してみると、そこには息もつかせぬ怒涛の物語が紡がれていたのでした…。
人が街を好きになるのではなく、街が人を好きになる!
詳しくは是非実際の動画(↑)を見ていただきたいのですが、ざっくり物語を紹介しますね。
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なにげなく街を歩くだけで周囲の人々がときめいて笑顔になり、思わず一緒に歌って踊ってしまう。そんな絶大な魅力を持つ男性。
宝塚歌劇でも歌われる宝塚市の市の花スミレをイメージさせる衣装に身を包むその男性、実は擬人化された宝塚市!
「俺に惚れない女はいないんだぜ!」とあふれ出る自信を胸に街を闊歩する彼ですが、ある日、すれ違った女性が自分になんのときめきも感じないことに衝撃を受けます。「なぜ?!」
思わず女性をストーキングする宝塚氏。実は彼女には恋する年下の彼がいて、氏がいくら魅力的であっても今は目に入らないのでした。
「あの子を振り向かせたい…!」
キャーキャー言われることに慣れ切っていた宝塚氏は湧き上がる想いに耐え切れず、思いもよらない暴挙に出ます。
「覚えていますか?」
いきなりそれはないやろ、というナンパ台詞に「どこかでお会いしましたっけ??」と女性は不信感をあらわにします。それに対して宝塚氏は「ぼくにまだ、恋してないですね?」ととどめを刺してしまいます。初対面なのに怪しすぎです。
その後、「君の恋は本物じゃない、僕のすべてを知ってくれたら君を輝かせてあげるよ!」と得意の歌と踊りで訴えますが、彼のせつない想いはうまく伝わりません。
その後、彼女が年下の彼と楽しそうに宝塚の街をデートするのを見守りながら「街を好きになってもらうだけでいっか…」と思わず宝塚氏は弱気な言葉を吐いてしまいます。
この時点で「あ~、このまま年下の彼と一緒になった彼女が宝塚に住んで、めでたしめでたし、というストーリーなのね」と思っていたら、このあと思わぬ展開が訪れるのでした…。
愛すれば気持ちを返してくれる街
女性が思いを寄せていた年下の彼。なんと! 彼には本命の彼女が別にいて、実は主人公の女性にはまったく気がないのでした!! 二股ヒドイ!
「もう何が真実かわからない…」
絶望に打ちひしがれる女性。どうも今までにも幸せを焦り過ぎて心砕かれたことが何度かある様子。
「ほんとのわたしが輝いて幸せになるにはどうしたらいいの?」
そうつぶやいた彼女はふと、いつもより街が優しく見えることに気づきます。
そして思い出すのは、自分のすべてを知って好きになってほしいとナンパしてきた宝塚氏。
これまではいつも、形だけの幸せばかりを求めていた彼女。
「もしかして、相手の愛を信じて飛び込んでいけば、わたしらしく輝くことができるの?」
そんな問いかけを胸に宝塚の街を見下ろせる高台へ向かい、そこで真実の愛を知るのでした。
【完】
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なんか普通に深くていい話でした…。
見応えもあり飽きさせないプロモーション動画
宝塚市の11分半にもおよぶプロモーション動画。
始めはうけ狙いなのかと思いながら見ていたのですが、ストーリーもおもしろく、なにより音楽がドラマチックでぐいぐい引き込まれてしまいます。
宝塚市はPRの対象を「ライフスタイルに高い意識を持つ女性 」と定めていて、まさにこの動画は女性が見るとうっとりしてしまいそうですよね。
宝塚市が市のPR(宝塚市シティプロモーション)をするために作ったこの動画。制作は東映、制作・放映に対する費用は860万円ほど。
宝塚歌劇をほうふつとさせるダンスの振り付けは元歌劇団員の仲本智代さん、ナレーションは元男役の越乃リュウさん。
宝塚氏や女性を演じるのは上木翔太さん、財田怜奈さんといった関西を中心に活躍する俳優さんたち。そこに宝塚市が公募したエキストラダンサーさんたちが加わって見応えのある動画に仕上がっています。
人通りの多い場所などもビデオに出てきますが、序盤のシーンなどは影の雰囲気からかなり朝早く撮影されたんじゃないかなあ。12月の中旬の撮影だったようで、よく見ると俳優さんとか寒そうなの。
阪急沿線で生まれ育ったわたしにとっては、宝塚歌劇や温泉があったり、昔は動物園や遊園地があったりと宝塚はもともと特別な場所。そんな宝塚が持つキラキラした雰囲気をこの動画を見てあらためて感じることができました。
「今こそあなたをこの街へ迎えよう」というメッセージで終わるこのプロモーション動画。見終わったころには、なぜか宝塚が好きになって、宝塚へお出かけしたくなってしまう。そんなステキなミュージカルです。