長い冬枯れの季節が終わり、満開の桜で周りの景色が一気に華やいだ後、いよいよ本格的な春の芽吹きのシーズンとなります。夏の青々と生い茂る緑とはまた違う、この季節独特の色彩。
新緑ってなんであんなにきれいな色をしてるんでしょうね。
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タンポポの黄色い花が咲いている…わけではない
山へ出かけて新緑を堪能するのももちろんいいのですが、普段の街をぶらぶらしながら、冬には見かけなかったいわゆる雑草が急に茂りだすのを見るのも楽しいです。
カラスノエンドウ、オオイヌノフグリ、シロツメクサ…。誰でもが知っているようなありふれた雑草ですが、春になって一気に生い茂ってくると新鮮な気持ちになります。(ただし自分の家の敷地外に限る。)
先日、そうやって新緑を楽しみながらいつものように歩いていると、黄色い花が群生しているのが遠くから見えました。花の大きさや色からタンポポが咲いているんだなあと思いつつ近づいてみましたが、なんだか違和感が。
タンポポってこんなだっけ……???
茎が異様に長いタンポポ、あまりかわいくないタンポポ
私の記憶違いでなければ明らかにタンポポと識別できる黄色い花がたくさん咲いています。つぼみも花も綿毛も全部タンポポのような気がするのですが、なんだか茎が異様に長いのです。
タンポポの茎って少し太くて、中が空洞になっていて柔らかくて、花の時期は短めだけれど、ふわふわの種ができるころにはぐいっと伸びるのですよね。
けど目の前のタンポポは、細くて固そうな茎がびよーーーーーんと地面から何本も伸びて、その先に花が咲いています。日当たりによって違うのかしら、それとも少し荒れ地に咲いていたから栄養が不足してこんなことになっているのかしら…。
取りあえず、その場で写真を撮って帰ったのですが、あとでネットで調べてみると、やはりタンポポとは違う種類の植物であることがわかりました。
正体はおそらく「ブタナ」
googleで「タンポポ 茎が長い」と検索をかけてみると「ブタナ」という植物であることがすぐにわかりました。
開花時期は6〜9月頃。外観はタンポポに似るが、ブタナは30〜60cm程度の花茎が途中で数本に枝分かれし、それぞれの頭に直径3cmほどの黄色い花をつけるのが特徴。また花茎に葉は付いていない。
ーウィキペディア「ブタナ」よりー
まさにそれ!
ブタナは当初は「タンポポモドキ」と名付けられたそうですが、今はその後に命名された「ブタナ」のほうが主流になっているようです。英語では「catsear」と言うようで、葉が猫の耳に似ているからだそうです。
うーん、猫の耳には見えませんね。
形は似ていませんが、葉の表面にびっしりと毛が生えているので、もしかするとこの毛の感じが猫の耳の雰囲気なのかな?
ちなみにタンポポの葉っぱはというと…。
つるつる!
また、ブタナはしっかりした厚みを感じますが、タンポポは薄っぺらく柔らかいです。
それにしても、今まで気にしたことはなかったのですが、よく見るとタンポポの葉っぱってほうれん草に似ていますね。
タンポポとブタナはキク科、ほうれん草はヒユ科
あまり植物の分類には詳しくないのですが、少し調べたところ、タンポポ、ブタナ、ほうれん草は次のように分類されるようです。
- タンポポ:キク科タンポポ属
- ブタナ:キク科エゾコウゾリナ属
- ほうれん草:ヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属
タンポポ・ブタナとほうれん草はだいぶ種類が違うようですね。
キク科の見た目の特徴は小さな花が集まって一つの花に見えるところで、そういう点ではタンポポやブタナが同じ仲間なのは納得です。
ほうれん草の花が咲いた pic.twitter.com/OmbnM1khjP
— Mie (@amiyaeno) 2015年5月10日
ほうれん草の花はタンポポとは似ても似つかない花みたいです。
また、タンポポが属するタンポポ属とブタナが属するエゾコウゾリナ属は同じタンポポ亜科タンポポ連というところに属するのでけっこう近い仲間なのかな?
ちなみに同じくタンポポ亜科タンポポ連コウゾリナ属のコウゾリナはこんなの。
花以外はだいぶタンポポやブタナとは違いますね。
同じ仲間の植物だったとしても…
ただ、確かにブタナがタンポポと同じ仲間の植物であるのは花の様子からしてもわかるのですが…
改めて見てみると明らかにタンポポとはちがいますね。(名前もちょっと残念な感じ。)
タンポポのようなふわふわしたところが全くありません。雑草感がハンパないです。