大阪のビジネス街で人気のカレー専門店インデアンカレー。
一口目は甘いのに結果的にとにかく辛い不思議な魅力のカレーは、大阪のソウルフードなんて言われることもあります。
そんなカレー専門店のインデアンカレーには、辛さの苦手な人向けのハヤシライスなど、カレー以外のメニューもいくつかあるんです。
今回紹介するのは、そんなインデアンカレーの中ではちょっとマイナーなメニューピラフ。
他のメニューと違ってルーがないので軽めの食事にピッタリなんですが、ちょっと想像するピラフとはイメージが違ったりするんですよね。
ピラフ…え? 焼きめし?
さて、昔から喫茶店などで提供されていたちょっと懐かしい味・ピラフ。
カフェ全盛期の今ではメニューにピラフをのせているお店も減りましたが、インデアンカレーでは、限られたお店ではありますが、今もおいしいピラフが食べられます。ただちょっと想像するピラフとは違うかな…。
カウンターに座ってピラフ(680円)をオーダー。しばらくすると、奥の厨房から中華鍋を振る音が聞こえてきます。
鍋とおたまが触れ合うカタカタというリズムに身をゆだねながら、「ああ、今、わたしのピラフがパラパラに炒められてるんだわ。」なんてウキウキするのですが、ふとある思いが頭をよぎります。
「ピラフって炒めてから炊くんじゃなかったっけ?」
そして出てきたのがこちら。
焼きめしが来た!!!
そうなのです。インデアンカレーのピラフは、炒めた米をスープで炊くタイプではなく、炊いたお米を炒めるタイプ。いわゆるチャーハン、っていうか焼きめしです。
あれ~? あれ~? あれ~??? と内心動揺しながら目の前の皿を確認しますが、ごはんと一緒に炒められた玉子がまさしく焼きめしの風情。
しかしながら、シーク教徒っぽい人の横顔があしらわれたいつものカレー皿に盛られていたり、レンゲではなく紙ナプキンとともに添えられたカレースプーンを見るうちに、焼きめしからチャーハン、そしてピラフ、と意識が西へといざなわれます。
ラーメン屋さんのチャーハンよりおいしい!
いつものようにピクルスも添えられ、やっぱりここは中華料理屋さんじゃなくてインデアンカレーだった、とちょっと気を取り直してピラフをよく観察してみます。
刻んだ玉ねぎ、にんじん、ハム、そしてグリンピースやコーンを見ていると、やっぱりピラフだね、と思います。
ですが、刻まれたネギを目にするとどうしても「焼きめし」という言葉が脳裏をよぎります。またよく見るとショウガでしょうか、繊維質のものがチラホラ。
「やはり焼きめしであった…。」と観念し、スプーンでひとすくい、口へ運びます。
「食べてもやっぱり焼きめしだけど、旨い!」
そうなのです、やはり焼きめしなんですけど、それがもうとってもおいしい焼きめし!
全くかたまりのないパラパラに炒められたごはんと具材。それでいて、乾燥してパサパサせず、ご飯がふんわりしています。
また、ラーメン屋さんなんかでチャーハンを頼むと油でギトギトのこともありますが、インデアンカレーのピラフは油と卵がうまく乳化しているんでしょうか、ぜんぜん脂っこくなく、まさに理想的な焼きめし、いやチャーハン、いやピラフ。
なぜかいつものピクルスの酸味とも抜群の相性で、「焼きめし焼きめし言ってすみません。」と思いながら完食しました。あ~、久しぶりにおいしい焼きめし食べた。
ピラフが食べられるインデアンカレーの店舗
そんなあっさりおいしいインデアンカレーのピラフ(焼きめし)。カレーやハヤシライスのようにどこででも食べられるわけではありません。
大阪や芦屋、東京などに9店舗あるインデアンカレー、その中でもピラフが食べられるのは4店舗のみに限られます。
ピラフが食べられるお店
なんとな~く、人通りの多いところにあるお店ではピラフが食べられないのかな、という気がします。けっこう手間がかかるメニューですもんね。
たいした差ではないのですけど、やはりカレーに比べるとほんのちょっぴり提供されるまでに時間がかかるインデアンカレーのピラフ。
インデアンカレーにしてはちょっと待つかな、という程度ですが、とにかく一瞬でも早く食べたい方はカレーのほうがオススメです。でもおいしいよ!