「今日は久しぶりにちょっと新しいお店にチャレンジしてみようかしら」と思ったある日の仕事帰り。
頭の中の食べ物屋さんリスト(未訪問タグ付き)をくるくるめくって「今日の晩ごはんはここ!」と決めたお店「らーめん一宇」へ行ってきました。
詳しくはこの記事の最後で、写真入りでご説明しています。
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豊中市待兼山町にあるラーメン屋さん「らーめん一宇」
「らーめん一宇」は豊中市待兼山町にあるラーメン屋さんです。
場所はこちら。
阪急石橋駅から歩いて5分ほど。「阪大坂」と呼ばれる大阪大学豊中キャンパスへと向かう坂道の登り口に「らーめん一宇」はあります。
以前、ご紹介した「待兼タイカレーArtistプリック」から少し坂を上ったところ、飲食店などが入っている建物の一階(半地下?)にあります。
学生さんが多い土地柄ということもあり、近くには油そばの「きりん寺」や豚骨ラーメンの「一福」などもあり、ちょっとしたラーメン激戦区となっています。
「らーめん一宇」があるのは、以前は「JUPITER」という変わった名前のラーメン屋さんがあった場所で、いわゆる居抜きでの開業です。
「JUPITER」は2015年の10月にオープンしたとてもおいしい鶏白湯ラーメンが食べられるお店でしたが、2016年のお正月が明けた後、再びお店が開くことはなく、そのまま幻のラーメン屋さんになってしまいました。年末までは普通に営業していたので、店主さん、どうかされたのかなあ。もう一度あの煮干しラーメンが食べたい…。
「JUPITER」と書かれた正面のテントはそのままに約半年がたち、いったいこの場所はどうなるのだろうと思っていたところ、あっという間の店舗改装ののち、2016年6月23日に新しく「らーめん一宇」がオープンしました。
普通なようでいてなんだかちょっとおもしろいメニュー
さて、「らーめん一宇」で食べられるラーメンですが、基本はシンプルに塩と醤油の二種類、そこにチャーシューのプラスマイナスのアレンジとなります。
醤油味限定のようですが「かけらーめん」というのがあるのがおもしろいですね。
チャーシューなしでいろどりに少しネギが添えられているだけの「かけそば」ならぬ「かけらーめん」。
ワンコインで食べられるので「友達とラーメン食べに来たけど俺だけ財布が寂しいんや!」という学生さん向けのメニューなのかな?とも思いますが、「ラーメンとセットでちゃーしゅー丼も食べたいけどダブルチャーシューはちょっと…」という難しいお年頃(おっさん・おばさん)の胃にも優しい選択肢ですね。
それから、もうひとつ気になるのが「和風かれー丼」。
ラーメンのメニューがシンプルなのに、なぜここでカレーなのか。そしてなぜ和風なのか。これは「和風かれー丼」を頼んでみなければなぞは解けませんね。また次の機会に…。
「あす流」仕込みのさっぱりおいしいラーメンが食べられるよ
今回は初めての訪問ということもあり、基本のラーメンを頼んでみました。
こちらは「塩らーめん」750円。
透き通ったスープが見るからにおいしそうですね。見た目もいたってシンプル。ベージュの薄いふにゃふにゃっとしたものが麺の上に乗せられていて、はじめはキャベツか何かかな?と思ったのですが、食べてみるとなんとシナチクでした!
*2016年11月8日追記
今はキャベツ状のメンマではなく、メンマの穂先の部分をなが~く切られたものが丼の向こう側に入ってますよ。
ラーメン屋さんで筋張ったガシガシした食感のメンマに当たるとちょっとがっかりしてしまうのですが、こちらのメンマは穂先を使った柔らかいもので、優しいラーメンのスープとの相性もぴったりです。
鶏のだしに貝柱のようなふんわりした甘みが感じられて、少し和のテイストもあるスープはそれだけでも飲みたいなあと思うものでした。
「らーめん一宇」の店主さんは高槻の塩ラーメンの有名店「あす流」で2年間修行をされたのだそうで、塩ラーメンがおいしいのもなるほど、という感じです。
こちらは「醤油らーめん」750円。
こちらも透き通ったスープに甘めの醤油の味が効いています。「塩らーめん」はつるつるした麺でしたが、こちらはスープを程よく含みそうな黄色味がかった麺です。
テーブルには山椒がたっぷりの黒七味が添えられていて、塩・醤油ともシンプルなスープへのいいアクセントになります。食後の口内もラーメンを食べた後なのに爽やかです。
阪大坂下の人気店になりますように
大阪大学への通学路でもある「阪大坂下」と呼ばれるほんの100メートル弱ほどの場所には何軒か飲食店などの店舗があるのですが、比較的に短期間で店が閉まることが多く、人通りの多い道なので余計に閉店している店舗があると目立ちます。
最近の学生さんは男の子でも自炊をする人が多いのか、はたまた大学内の食堂が充実してきたので学外で食事をとる人が少ないのか、特に最近、開店・閉店のサイクルが早いようです。
「ラーメン一宇」の店舗も「JUPITER」が閉店してからは、ずっとシャッターが閉まったままになっていてさみしい雰囲気でしたが、やはりお店が営業しているとまわりが明るくなっていいですね。
周囲のラーメン屋さんなどとどんどん競争して阪大坂下を盛り上げてほしいなあ。
2017年2月28日 静かに閉店しました
開店以来、地元の方や阪大生はもちろん、様々なメディアでも取り上げられて多くの人が訪れた「らーめん一宇」ですが、残念ながら、2017年2月28日に閉店しました。
閉店について事前の案内は特になく、ひっそりとした幕引きでした。閉店間際まで、いつも通りたくさんのお客さんがおいしいラーメンを食べに来ていましたよ。
「らーめん一宇」のラーメンは開店以来常に改良が加えられていました。特に醤油らーめんのスープは、一口すすって「…うまい!!!!」と心の中で叫んでしまうほど。もうあの味が食べられないのかと思うと寂しい限りです。
サイドメニューの和風かれー丼は最近お休みされていましたので食べられませんでしたが、ちゃーしゅー丼も相変わらずのおいしさ。
わたしの周りでも「らーめん一宇」が気に入って通っていた方が多く、みなさん閉店したことを聞いてほんとにがっかりされています。今まで外でラーメンを食べたことがなかった、という近所の上品な奥様も、楽しみが無くなって途方に暮れてらっしゃいました。
ちょうど閉店したのは大阪大学の春休み期間中。春になって学校が始まると、学生さんたちびっくりするだろうなあ…。
「らーめん一宇」の閉店日には〆として塩らーめんをいただいてきました。見た目は澄んだあっさりスープに見えますが、口に含むと広がる濃厚で複雑な味わい。最後までおいしいかった、ごちそうさまでした!