ツール・ド・フランス2017、第3ステージ。前日に引き続き、スプリンター向けのコースでした。
ちょっと違うのはゴール前が上り坂だったこと。
少し前だったら、ジルベールやカンチェラーラが最後の勝負に絡むところなんだけどなあ…!
上りゴールの絶対王者 ペーター・サガン
ゴール前の数百mを全速力で競い合い勝敗を決するスプリント。
それまでの200kmほどの道程は一体何だったの…と思わないでもないのですが、まあ、スタートからの5時間ほどの駆け引きがあるからこそのゴールスプリントでもあるわけです。
その駆け引きにうまく乗れなかったチーム・選手は最後のスプリントに参加できないわけですから。いかにもロードレースは回りくどいスポーツです。
Le dernier kilomètre de la 3e étape, magnifique sprint final ! / The last kilometer of stage 3!#TDF2017 pic.twitter.com/aNerxUNQvQ
— Le Tour de France (@LeTour) 2017年7月3日
最終的にスプリント(短距離走)になるのは、出場選手がほぼ全員ばらけずにゴール地点までやってこられるような比較的全体が平坦なコース。
その中でも第2ステージのようにゴール付近も平坦な場合は、第2ステージ優勝者のキッテルなどのいわゆるスプリンターと呼ばれる瞬発力に秀でた選手たちでゴールが争われます。ですが、今回の第3ステージのようなゴール直前に上り坂があるようなコースでは、パンチャーと呼ばれる馬力を備えた、スプリンターとはまた違ったタイプの選手で争われます。
スプリンターはそのがっちりした体格から生まれる瞬発力と引き換えに、上り坂になると極端に進めなくなるという弱点があるんですね。
パンチャーは、純粋なスプリントではスプリンターに及びませんが、その分上り坂や長めの距離の全力疾走に耐えられます。
そんなパンチャーに分類される選手としては、ジルベールやカンチェラーラ、ボーネンなどが有名ですが、カンチェラーラとボーネンは最近引退してしまいましたし、ジルベールもそろそろいいお年頃…。
となると、はっきり言ってサガンを負かせそうな人って今、いないんですよね!
あんなに素朴だったサガンが…
↑「華やか」というのとはまた違う派手さのある表彰式の様子
ペーター・サガンはスロバキア出身の選手。
昨日のキッテルは「固体物理学入門」を彷彿とさせましたが、サガンはやっぱりこれですよね。
サガンはデビュー当初から、すごいすごいと噂の選手でした。
プロ転向後はまだ若かったこともあり、いきなりグランツール(ツール・ド・フランスなどの3週間続くハードなレース)には出場せず、チーム内で大事に育てられていました。
ですが、実際にツールデビューしてみると、ほんとにすごかったわけです。も~ほんとすごかった。
普通の自転車選手が一生のうちに一度あるかないかのステージ優勝をいきなり3日もしてしまうのですから。
当時は、なんだかスロバキアの田舎からできたあか抜けないお兄ちゃんという風情で、坊主頭にぼけーっとした顔でぽけぽけと話す英語のインタビューが特徴的でした。
こちらは2013年のサガンちゃん。これでもだいぶこなれてきた感じのころですよ!
こんなに純朴そうだった彼が、今ではこうですよ!
キリストかよ!
ちなみに、後ろに写っているのはサガンのお兄さんのユライ・サガン。今年、めでたくツール・ド・フランス初出場。弟と同じチームで第3ステージでも頑張ってました。
今思うと、デビュー当時にぼけーっとしゃべっていたように見えたのは、おそらく慣れない英語を一生懸命考えながら話してたんでしょうね。今や実力、貫禄共にトップクラスの選手です。
というか、現世界チャンピオンです。ジャージの袖と胸のシマシマがその証。
そして言わずもがな、イケメン。
昨日のキッテルは、礼儀正しい正統派イケメンですが、サガンはチャラい系のイケメンです。
自転車ロードレース界の数少ないイケメンの2大巨頭。覚えておきましょうね!
それにしても、チャラい。このキャラはロードレース界には無二の存在ですよ。
っていうか、その首からかけてるゴーグル、ロードレースと関係ないし!w(おそらくスポンサーさんのものかと思われます。)