いろいろあった2017年のツール・ド・フランスもいよいよ第20ステージ。
有力選手が次々とリタイアしたりと、正直ちょっと中だるみ感はありましたが、やはり最終的に順位が(ほぼ)確定するとなると、感慨深いものがありますねえ。
個人タイムトライアルで始まり、個人タイムトライアルで終わる
21日間にわたって行われるツール・ド・フランス。
最終日はお披露目レースですので、20日目は実質、今年のツール最後の本気試合です。
第1ステージと同じく個人タイムトライアル(個人TT)形式で行われた第20ステージは、美しいマルセイユの街を巡る22.5kmのコースでした。
スタートとゴールはオランジュ・ヴェロドローム。
今はマルセイユのサッカーチームの本拠地となっていますが、ヴェロドロームという名前の通り、元々は自転車競技場なんですって。
Nouvelle configuration.
Nouveau challenge.L’Orange Vélodrome est sublime pour cette étape du @LeTour 🌟🌟🌟 pic.twitter.com/WPXLWi4v7v
— Orange Vélodrome (@orangevelodrome) 2017年7月22日
基本的には平坦なコースですが、マルセイユの街を見下ろすノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院がたつ丘への上りは、個人TTとしてはちょっときつそうでしたね。
相変わらず臨場感たっぷりのGoProの動画。おもしろい。
1分13秒くらいから左手でカチカチしてるのは、上り坂でギアチェンジしてるんですね。
今の高級な自転車は、変速機が電動なんです。昔のようにレバーでワイヤーをぐいぐい引っ張るのではなくて、スイッチをパチパチ押してギアを変えるんですね。ストレスなくギアチェンジができるので、走行状態に合わせてこまめに調整できるんですって。
ステージ優勝はサガンのお友達 ボドナルさん
個人TTの第20ステージを勝つのは、TT世界チャンピオンのマルティンかなあ、元世界チャンピオンのクウィアトコウスキーかなあ、それとも、総合1位ながらまだステージ優勝をしていないフルームが本気出しちゃうかなあ、なんて思ったりもしましたが、最終的に勝ったのはボーラハンスグローエのボドナルさん。真面目そうでちょっと地味!
Bravo Bodi!!!!!! Fantastic result!!!! @BORAhansgrohe https://t.co/hFJ5Ag5MxE
— Peter Sagan (@petosagan) 2017年7月22日
ボドナルは第4ステージのゴール前のモチャモチャで失格となってしまったサガンのお友達。Twitterでもえらい喜びようです。
実際にサガンとボドナルとが喜びを豪快に分かち合ってるところを見たかったなあなんて思いますね。
ですが、サガンがそのまま出場し続けていたら、この勝利はなかったかもしれないですよね。ボドナルはサガンをアシストする立場ですから、自分のために全力を出すわけにもいかないですし。もしかするとサガンがいなかったからこそのステージ優勝だったのかも。
総合優勝はフルームでほぼ決まり
What an amazing feeling 😁 Stage 20 ✅ #TDF #TDF2017
📸 @letour pic.twitter.com/3VmRyqT8Yh— Chris Froome (@chrisfroome) 2017年7月22日
元々TTも得意なフルームは、ステージ優勝こそ逃したものの、ボドナルと6秒差で3位。最終日によっぽどのアクシデントに巻き込まれてリタイアをしない限り、総合優勝はほぼ確定です。
20ステージ終了後にいつも、その年のツールを振り返る記者会見が行われるのですが、毎年思うのですが、もうね、みんな目の下がすごいクマなんですよね。
レース後ということもあるんでしょうけど、ゲッソリした表情を見ると、ロードレース、特にグランツールと呼ばれるレースは、なんともハードなスポーツだなあと思います。
3週間、あいだに2日の休息日はありますが、毎日毎日、昼頃から夕方まで、200kmの距離を車と変わらない速さで走り続け、トイレも食事も自転車の上。ピレネー山脈やアルプスの山々を上ったり下ったり、激しい風雨にさらされる日もあり。
有力選手が次々と脱落していく中、深刻なアクシデントもなく3週間を乗り切ったフルームは、今となってみると、やっぱり最強の選手なんだなあ、と思うのでした。
フルームと争える強い選手、みんなリタイアしちゃってるじゃん、今年のツールはつまらん、とか思ってすみませんでした(汗)