フランスに夏の到来を告げるツール・ド・フランス。
3週間にわたる厳しくも美しい戦いがとうとう終わりました。ツールが終わるといよいよ夏本番。ちょっぴり切ない夏の始まりです。
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いよいよプロトンはパリへ向かう
2017年ツール・ド・フランス最終ステージはパリ近郊のモンジュロンをスタート。
最終日ならではのゆったりとした時間を過ごした後、シャンゼリゼ大通りを8週本気走りをして、大勢の観客の中で行われるスプリントで3週間のレースの幕を閉じます。
ツール・ド・フランスは21日間のレース中の走行タイムが最も少ない選手が総合優勝に輝きますが、最終日はタイム差を争うようなレースにはなりませんので、最終的な順位は前日でほぼ確定しています。
GoProの動画も最終日らしいのんびりした雰囲気。
様々なプレッシャーから解放された選手の表情は、スタート前からみんなほがらか。
体力的にも精神的にもギリギリの日々だった3週間。パリ・シャンゼリゼへと向かう第21ステージは、リタイアせずに最終日まで生き残った選手たちだけが走ることができるまさに花道です。
試合中にシャンパンで乾杯するスポーツが他にあるのか
シャンゼリゼでゴールをすると、これまで一緒に走ってきたプロトン(選手の集団)のみんなともお別れ。
選手たちはそれぞれ思い思いにパリまでの走行を楽しんでいました。自転車ロードレースは、集団内での駆け引きが重要なスポーツ。チーム関係なく協力し合いながらレースを進めるので、基本的に選手同士はみんな仲がいいんだそうですよ。
中には走りながら恋人にプロポーズしてた人もいましたね。答えはどうだったのかな?
4度目の総合優勝を決めたチームスカイのフルームには、多くの選手が祝福の声をかけながら通り過ぎていきます。
周りのみんながフルームをリスペクトしているのが感じられて、やはり、フルームは王者としての器を備えた人なんだなあとしみじみ思ってしまいます。どんなスポーツもそうですけど、体力やテクニックが優れているだけでは頂点には立てないんですよね。
途中、プロトンの最後尾にチームスカイのチームカーと選手たちが集まって始まったのは、恒例の乾杯タイム。
チームカーからグラスを受け取って、自転車で走りながらみんなで乾杯、なんともほほえましい光景ですね。(※一応レース中です。)
チームカーを運転する監督やスタッフとももちろん乾杯。ハンドル握ったまま乾杯する監督は、さすが、運転にたけた自転車ロードレースならではですね・・・!
最終ステージの勝者は伏兵・フルーネウェーヘン
最後のスプリントを制したのはロットNLユンボのフルーネウェーヘン。すみません、全然マークしてない選手でした…。
いつもスプリントで勝てそうで勝てないクリストフが頑張ってるけど、やっぱり難しそう、ブアニもなんだか厳しい~、あ~ボアッソンハーゲンあがってきた~、わ~グライペルも来た~!!
なんてライブ中継の画面中央から左側に見入っていると、視界の右のほうで、あれ! 誰かゴールした??
誰かわかんない~!(クリストフ、無念…)
フルーネウェーヘンはオランダ出身の24歳のスプリンター。これまでもいろいろなレースで勝っている期待の新人なんですね~。
キッテルやカベンディッシュ不在とは言え、並み居る有名スプリンターを押さえてシャンゼリゼゴールを決めるとは、すごい選手です!
個人的にワクワクだったフルームの表彰式
レース終了後は凱旋門をバックにした贅沢な表彰式の始まり。
個人的に楽しみだったのは、フルームのスピーチです。
走りはけっこうアグレッシブなフルームですが、普段はとっても温厚な真面目な雰囲気で、いつもにこにこしています。そんなフルームの初優勝時のスピーチがある意味衝撃的でして…。
表彰が終わり、いざスピーチとなったとき、ポケットからごそごそと何やら紙切れを取り出し、シャンゼリゼ大通りに集まった沿道の大勢のファンや、サッカーワールドカップやオリンピックに並ぶ世界中の大勢のテレビ視聴者へ視線を向けることなく、黙々と用意したスピーチのメモを読み上げ続けたのでした。
さすがに2年目からは、1年目のときに誰かに怒られたのか、ちらちらメモを見つつも視線をあげるようになりましたが、4回目の優勝となる今回はどうなるのかなあ、やっぱりメモ見るのかなあ…と興味津々でした。
で、どうなったかというと。
やっぱりメモ用意してた~!! それも何枚も!
おまけに、途中でそのメモが風に飛ばされるというアクシデント付きでした。(一緒に表彰台に立っていたウランに拾ってもらってました。)
フルームってものすごく強いのに、どこか憎めないところのあるほんわかした選手です。いらん情報ですが、フルームは猫好きで、日本に来た際には京都の猫カフェに連れて行ってもらっていました。
ちなみに、ずっと節制を続けてきた選手たちは、レースが終わり、我慢していたジャンクなものを食べたり、お酒を飲んだりとほんのちょっと羽目を外すみたいですよ。
Celebrations 🍾🙈 #TDF2017 #TDF pic.twitter.com/Zo5Aj0o5NA
— Chris Froome (@chrisfroome) 2017年7月23日
長かったようなあっという間のような3週間の終わり
個人的には、応援していた選手が次々といなくなってしまい、ちょっと途中集中力も切れてしまいましたが、長いようであっという間の3週間でした。
「ああ、ずっと毎日見てた中継がもうないんだなあ。」とツールが終わるといつも感じるこのさみしさ。毎年の大きな夏祭りが終わった後の、なんとも言えないせつなさがたまりませんね。
スタート当初は198人いた選手も、31人がリタイアし、完走できたのは167人。骨折をした選手も多くいましたが、幸い、選手生命にかかわるようなけがをした人はいなかったようです、よかった。
最後に、今年のツール・ド・フランスの公式まとめ画像を貼っておきます。
改めて振り返ってみると、心にグッとくるシーンがたくさん。まだまだ今年のシーズンは続きますが、ちょっと感慨にふけりながら、レースの観戦は休憩ですね。