先日、部屋になにげなく置いてあった新聞をぼんやり見ていると、ある広告が目に留まりました。そこには「松茸牛丼」の文字。
「ほほお、秋ですねえ、それにしても松茸に牛丼とは贅沢ですねえ。」などと思いながらその広告を改めてよく見てみるとそこにはなんと「吉野家」の文字が。
「吉野家で松茸ってどういうことやねん!」と早速吉野家へ行ってまいりました。(←単純)
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あの、吉野家で、松茸が、食べられるだと…
今度は!松茸牛丼が!でる~~~#吉野家 #よっぴー #松茸牛丼 #数量限定 pic.twitter.com/6wLQvGQWVq
— 吉野家 (@yoshinoyagyudon) 2016年9月12日
よっぴー(吉野家のゆるキャラ)もテンション上がり気味ですが、そりゃ上がりもしますよ。なんてったって松茸ですもん。
松茸といったらあれですよ。一本が数千円したりするあの松茸ですよ? 吉野家でお得に鰻を食べられるのですらちょっと驚きなのですが、いやいや、松茸はないでしょう(苦笑)!
それも、単品で700円。いったいどこ産の松茸なんだ…。
松茸牛丼は吉野家の秋の期間限定・食数限定メニューだよ
「松茸牛丼」には「ありがとう!築地市場」というキャッチコピーが付けられています。
みなさんご存知の通り、吉野家の一号店は築地市場にありますが、その築地市場が移転することに絡めて、今年吉野家はその百年の歴史を築地市場への感謝の気持ちで表現するキャンペーンを展開しています。ただ築地市場の移転がなんとも微妙な雰囲気になっていてちょっとお気の毒な感じですね…。
今回の「松茸牛丼」は築地市場にしか吉野家がなかった頃、松茸の初セリの日に合わせて「松茸牛丼」を販売していたことにちなんで、50数年ぶりの復活メニューとして期間限定・食数限定で提供されています。
毎日11:30から販売開始、店舗ごとの限定数に達するとその日の提供は終わり。一店舗当たり30食ほどしか準備がないようですが、とある祝日の21時頃、ダメ元でお店に行ってみたところ運よく「松茸牛丼」を食べることができましたよ!
オススメは断然「松茸牛丼セット」!
今回は少し迷った上で「松茸牛丼セット(730円)」を頼みました。セットで頼むと「松茸牛丼(700円)」単品に+30円でお漬物とお吸い物が付いてきます。
「なんだ、お吸い物か。」と侮るなかれ。この「松茸牛丼」に関しては絶対セットで頼むことをお勧めします!
オーダーしてしばらくして運ばれてきた「松茸牛丼セット」。目の前に出された瞬間から松茸独特の香りが漂ってきます。「うわ~、ほんとに松茸だ~…」というのが最初の感想です。
牛丼本体:実は松茸牛重でした
「松茸牛丼」は丼物かと思いきや、丼には入っていません。重箱に入っているので正確には「松茸牛重」ですね。容器が大きいのでご飯の量もかなり多く、食べごたえがかなりありました。
白ご飯の上にいつもの牛丼の具が乗っていて、その上にかわいらしい松茸のスライスがきれいに並べられています。ミツバの葉があしらわれていて吉野家のメニューにしては見た目にもきれいで、やはり高級感を感じます。
ただ、肝心の松茸なのですが、いつも目にする松茸となんだか風合いが違うのですよね。みっちりと肉質が詰まっていてツルンとした光沢があります。松茸ってもっと繊維質な感じだった気が…。
少し違和感を感じつつ松茸を一切れ食べてひらめいたのは「缶詰のマッシュルームと似てる!」ということ。そういえば、水煮のキノコ類って元のキノコの食感とはちょっと違いますよね。
「松茸牛丼」の松茸は牛丼のたれで煮てあるんだそうです。ですので、缶詰や袋詰めのキノコの水煮と同じような方法で作られているのかもしれませんね。
お吸い物はまさかのあの味!
さて、セットとしてついてくるお吸い物なのですが、なにげなく一口すすってみると体の中を駆け巡る既視感、否、既味感…。
これは…これは…昔飲んだあの味…。
そう、永谷園のお吸いものの味だ!!
約50年の歴史のある永谷園の「お吸いもの」ですが、パッケージに「松茸の味」と書いてある通り、松茸の香料が使われているのをご存知ですか?
今回「松茸牛丼セット」についてくるお吸い物は正にあの懐かしの味なのです。よく見ると永谷園の「お吸いもの」と同じように丸いお麩や角切りの海苔なども入っています。
ただ違うのは刻まれた生のミツバの茎が入っていること。「松茸牛丼」に添えられていたミツバの茎の部分なんでしょうか。新鮮なミツバ独特の香りが松茸の風味に負けずに香って、少し高級なお吸い物に変わっていますよ。
期間限定、来年あるかもわからないので急いで吉野家へ!
今回の期間限定メニューの「松茸牛丼」。吉野家でなぜか松茸が食べられるというところばかりに気をとられてしまいがちですが、落ち着いて考えると牛肉と松茸という組み合わせ、これって松茸の代表的な食べ方である松茸のすき焼きですよね。
牛丼のたれが染みた松茸と牛丼という組み合わせは全く違和感なくいただけるのですが、ともするとちょっと単調な味わいになる気も。もしかすると卵を追加で頼んで松茸や牛肉と絡めながら食べるとすき焼き感が増していい感じになるかもしれないですね。
松茸の香りが豊か過ぎるぐらい豊かな「松茸牛丼」、正直言って「ものすごくおいしい!」というものではありませんでしたが、お手ごろな価格で秋の高級食材を味わえるということと、特にセットにした場合は松茸のお吸いものまでついてきて、ちょっとジャンクな松茸づくしを楽しめるおもしろいメニューだと思います。
個人的にはこのお吸いものを添えるというセットメニューを考えた方とお知り合いになりたいぐらいツボにはまったメニューでした。だって吉野家で松茸というだけでびっくりなのにあのお吸いものなんですから…!
「松茸牛丼」は築地市場移転による一号店の閉店にちなむキャンペーンの一環であるため来年の秋にまた復活するかはわかりませんよね…。是非、このチャンスを逃さずに吉野家へ行ってみてくださいね。