香川県と言えば「讃岐うどん」。
と思いがちですが、香川の人はうどんばっかり食べているわけではありませんよ!(よそに比べるとだいぶ食べてますけど…)
香川県が突然、「うどん県へと改名する!」と言い張って久しいですが、それと合わせて「うどん県、それだけじゃない香川県」という観光キャンペーンも繰り広げられています。香川県にはうどん以外にもおいしい食べ物、名産品などがいろいろあるんですよ。
今回はそんな香川県の、うどんじゃないけどちょっと他にはないおいしいもの「親子中華そば」をご紹介します。
Contents
香川県高松市塩江にある「いこい食堂」
今回ご紹介する「親子中華そば」は高松市塩江町にある食堂「いこい食堂」で食べられます。
場所はこちら。
塩江町は香川県には珍しい山あいの古くからある温泉街です。
温泉街自体は昔と比べると縮小ぎみですが、夏はホタル狩りや渓流遊びができるこじんまりとした道の駅があり、高松から徳島県穴吹方面に抜ける塩江街道沿いのちょっとした休憩地になっています。
「いこい食堂」はそんな塩江の道の駅のすぐそば、県道にかかる橋のたもとにあります。
いこい食堂名物「親子中華そば」
さて、「いこい食堂」に入って席に着くと否応もなく「親子中華そば」の文字が目につきます。
中華そばというメニュー自体は昔からあると思うんですが、やはりインターネット全盛の今、ネットの口コミを見て来るお客さんもお多いんでしょうか、お店でも「親子中華そば」を全面に押し出しているみたいです。山あいの小さな食堂ですが、ちゃんと食べログなんかにも載ってますもんねぇ。
「親子中華そば」にする?「親子中華うどん」にする?
この「親子中華そば」ですが、そばかうどんか、選ぶことができます。そば屋さんやうどん屋さんで「月見うどん」か「月見そば」か選ぶような感じですね。
ただ、ここでいう「そば」はそば粉のそばではなく、名前からもわかるとおり中華麺のそば。どちらを選ぶかはお好みですが、やはり「中華そば」ベースのメニューだと思いますのでそばでいってみましょう。普通のサイズならうどんもそばも同じ値段(530円)ですが大になるとうどん(630円)よりそば(730円)のほうがちょい高くなります。
親子中華そばの「親子」って?
そのうち、厨房の奥からお店のおじいちゃんが卵をカシカシカシカシ…とかき混ぜる音が聞こえてきます。こちらの「親子中華そば」のネーミングはいわゆる親子丼から来ています。鶏肉を卵でとじたものがのった中華そばなのです。
普通の中華そばを頼んだときの感覚より少しだけ待って、いよいよ出てくるのがこちら。
琥珀色に澄んだスープにピンクのかまぼこと竹輪やもやし、そして讃岐に来たらこれじゃないと!と思う細ネギが鮮やかです。以前はかまぼこや竹輪は小さく刻まれていたような気がなんとなくするのですが、こちらのほうが見た目があか抜けてますね。
特にこのもやし。ひげ根などがきれいに取り除かれていて、また生臭くなく湯がいてあります。適度にシャキシャキしているし、白くてきれい。パッと見は普通の中華そばですが、きれいに透き通ったスープといい、丁寧に作られているのがわかります。
肝心の「親子」の部分ですが、ほんとに親子丼の具が麺の上にのっている感じです。親子丼風なだけにダシも普通の中華そばよりも少し甘い気がします。そして始めからコショウで味付けがされていて、これがまたピリッとおいしいのです。
旨み充分!親鶏使用の中華そば
そして、いこい食堂の親子中華そばの最大の特徴が、鶏肉に親鶏が使われていること。
鶏肉といえばスーパーでは通常若鶏の肉が売られていますが、ここでは都会では気軽には口にすることができない親鶏の肉が使われています。
若鶏は柔らかくてジューシーですが、出荷までの短い期間に急いで育てられているのでうまみは少なめ。鶏肉は時間をかけて育てたほどうまみが増すと言われています。
丸亀を中心とした香川県の名物のひとつである「骨付き鶏」。骨付きのもも肉をスパイシーなたれにつけて焼いたものですが、こちらもたいてい親鶏と若鶏とを選ぶことができます。
お店の人にどちらがオススメか聞くと、「あまり親鶏を食べ慣れていない人には若鶏が食べやすいけど、おいしいのは絶対親鶏!」と教えてくれます。讃岐の人には今も親鶏を食べる習慣が残っているんでしょうか…。とっても固いけど、噛めば噛むほどうまみを感じる親鶏を一度食べると、若鶏がなんだか物足りなくなりますよ。
それにしても、いこい食堂の親子中華そばは卵と親鶏を使ったほんとの意味での親子ものですね。
なんてんことない普通の料理が一番おいしい
「親子中華そば」のダシは、うどんに使う和風だしをベースに、親鶏や豚肉・野菜などで旨みがプラスされてとってもコクのあるおいしいスープです。やはり讃岐うどんにはつきもののいりこも使われているのかなあ。普通の中華そばではあるんだけどなんだかホッとする味です。
いわゆるレビュアーの人たちがこぞって訪れるこだわりのラーメン屋さんももちろんおいしいのですが、いこい食堂のような普通の素朴なお店って、おなかも気持ちも満足しますね。
とは言えネット上には口コミも多く、わたしがお邪魔したときもツーリング中のバイク乗りの方が来られていました。ほんとに山間の何にもない場所ですが、一度食べたら病みつきになるのか、ファンの方がいるんですね。
わたし自身、いこい食堂の近くの親せきの家に行ったとき、お昼ごはんにテイクアウトしてもらった「親子中華そば」を食べてから「塩江に行ったらまた食べたい!」と思うようになりました。
讃岐のお店らしく、店内にはセルフサービスのおでんがあったり、おいなりさんや巻きずし、まぜ寿司も用意されています。大阪人の「お好み焼き定食」的な感じで香川県の人は「うどん寿司定食」を食べるんですよね。炭水化物の万歳!
また、このあたりのまぜ寿司には金時豆を甘く炊いたものをトッピングしてあります。酢飯に金時豆の柔らかい甘みが合うんですよ。是非お試しくださいませ。
なんだか懐かしい気分でいっぱいになる食堂。こんなお店が近くにあったらきっと通うのになあ…と思う「いこいの食堂」です。
関連ランキング:定食・食堂 | 高松市その他