香川県の空の玄関口「高松空港」。
讃岐の入り口にふさわしく、ちょっと他の空港にはない讃岐らしさを感じる施設です。
その代表的なものとして「うどんのダシが出る蛇口」が有名ではありますが、他にもいろいろと面白い特徴がありますのでまとめてご紹介しちゃいます。
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うどんのダシが出る蛇口
高松空港といえばやはり「うどんのダシが出る蛇口」をご紹介しないわけにはいきませんよね。
「愛媛県では水道の蛇口をひねるとポンジュースがでてくる」という昭和の時代からあった有名な愛媛ネタを元に2007年、愛媛の松山空港に「ポンジュースが出る蛇口」が設置され、日本中をざわつかせたことがありました。
その後、じゃあ香川はうどんだろ、ということで水道の蛇口からうどんのダシを出してやろうと始まったもののようです。ぶっちゃけ二番煎じですね…。
ですが! 松山空港のポンジュース蛇口は期間限定(基本毎月第3日曜)で行われているイベントですが、高松空港のダシ蛇口は常設ですよ!
350円でカップを購入し、セルフで蛇口からジュースを注ぐんですって!
ダシ蛇口の場所
うどんダシの蛇口はターミナルビルの2階にあります。
中央の階段を上がり、出発ロビーに出るとすぐにこんな表示が…
階段を上がって70メートルでダシ蛇口へ到着です。
右手へしばらく進むと見えてくるファミリーマート、そのすぐ奥の「空の駅かがわ」という自治体ごとの特産物を紹介するコーナーの中にダシ蛇口は設置されています。
「空の駅かがわ」とファミマの間をのぞいてみると…
窓際にひっそりと流し台が…。
もうちょっとなんというか、セルフのうどん店にあるようなダシの入ったタンクのようなものを想像していたのですが、ほんとに蛇口です。っていうか流し台なんです、なんか変ですよ、この感覚!
けどよく考えると、ダシタンクなら香川県中のセルフうどんのお店にありますし、県外でも今はセルフうどんをうたううどん店があちこちにあって、なにも目新しくはありませんもんね。
また、「水道の蛇口からうどんだしが出てくる」という基本のコンセプトに立ち戻るとその再現性は100パーセントなわけで。だってほんとに家にあるような流し台なんですもん。
ダシ蛇口利用の仕方
さて、こちらのダシ蛇口、基本的に年中無休のようです。ただし、営業時間が決まっています。
9時から17時まで。少しお役所的な感じです。ですが、ダシが無くなり次第終了というところはちょっと頑固なうどん店の雰囲気も。
またこんな張り紙も。
「蛇口が熱くなっている場合がありますので、ご注意ください。」とあります。
「まあ、念のためクレーム予防に貼ってあるんだろう、せちがらい世の中だ。」などとぶつぶつ考えながら、備え付けのサーバーから紙コップをとってなにげなく蛇口に触れるとけっこう熱い!w
やけどするほどではありませんが、ほんのり温かい程度ではなくしっかり温かいので手の皮の薄い方はお気をつけくださいね。こちらで提供されるうどんダシはかけうどん用のあったかいおだしなのです。
コップが少し小さめですので、こぼしてやけどしないように気を付けながら蛇口をひねってみると…
当たり前だけど茶色い液体が。
頭でわかってはいても、やはり水道の蛇口から茶色くて暖かい液体が出てくるとちょっと衝撃です。また、なんていうかビジュアル的には健康診断っぽくてなんていうか、いやはや。
というか、今気が付いたのですが、すぐ上の画像は2014年の写真なのですが、もうちょっと上の2016年の画像と比べるとハンドルの部分が替わってますね。
やはり、全部金属のハンドルだと熱過ぎたのかしら。
このダシは一体どこから…
肝心のダシのお味ですが、いりこの利いたとってもおいしいおダシです。ちょっと濃い目のような気もしますが、旅で疲れた体にしみる!
「旅立ちに ほっとひと息 讃岐の香り」というキャッチコピーが流し台の上の看板にもありますが、なるほど、アミノ酸で癒される…。
ちなみにこのうどんだしは無料でいただけるんですよ。蛇口の管理は高松空港ビル株式会社がしているようですが、ダシ自体はファミリーマートの隣にあるさぬき麺業といううどん屋さんから提供されているものです。そりゃおいしいはずですね。
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温かくておいしいのでついついおかわりをしたくなってしまいますが、なにしろ「ダシが無くなり次第終了」のおダシ屋さんですので後のお客さんのためにもほどほどに。
ちなみに、このうどんダシ、どうやってこの蛇口から出るようにしてあるのか、という疑問はすぐ裏手のファミマのレジの奥をそっと覗いてみるとわかるかも、です。
ほかにもかなりのうどん推し
香川県は「うどん県」。やはり高松空港にはうどんの蛇口以外にもうどん的な特徴がいろいろあります。
うどん屋さんが多い
高松空港は地方空港ですから、そんなに大規模な空港ではありません。飲食店も搭乗口の外には5件しかありませんが、なんとそのうち3件がうどん店です。
- エリエール(レストラン)
- カフェボーノ(カフェ)
- さぬき麺業(うどん)
- はやし家製麺所(うどん)
- さぬきうどん香川(うどん)
選択肢がなさすぎですね。空港内だけでうどんの食べ歩きができるという…。
正面にはうどんのオブジェが…
ターミナルビルの正面に広がる駐車場。その真ん中には金色に輝くオブジェがそびえたっています。
坂出駅前のアレと似てるし、高松空港のコレも黄金のうどんではないのだろうなあ…でも、どこを見ても銘板がないので結局なんだからはわからないのである(´・ω・`)
うどん県ありがとう。9月にまた来るね! pic.twitter.com/dvjY8EuMGj— やかん (@sin_zeal) 2016年7月11日
ツイート主のやかんさん、この弾力のありそうなラインと角の立った感じ…どうみても黄金のうどんですよ!
荷物のターンテーブルにもうどんが…
こちらは飛行機で高松空港へ降り立った人しか見られないレアものですが…
高松空港到着。荷物と一緒に流れるうどん。 pic.twitter.com/txJT3iEV
— naoki shimura (@POKKE8822) 2012年1月19日
ターンテーブルの上を預けた荷物と一緒に様々なうどんが流れてきます。しかもメニュー付き。回転寿司にインスパイアされたのでしょうか。かなりのサイズ感ですね。荷物の出し入れの邪魔にならないのかしら…。
そのほかの高松空港小ネタ
高松空港にはうどんにまつわること以外にもちょこっと興味深いものがありますよ。
レストラン「エリエール」…あれ?
2階の搭乗ロビーの向かって左手、うどんダシ蛇口とは逆のほうへ向かうと、一件のレストランが見えてきます。
パッと見、空港にはよくある少し昭和の香りも残る喫茶兼レストランという風情のお店ですが、なんだかその店名に既視感が。
「エリエール」という名前にこのフォント…。
そうなのです。あのティッシュペーパーのエリエールブランドのレストランなのです。元々愛媛発祥の大王製紙にゆかりのあるレストランですが、今は連結子会社からは外れているようです。いろいろありましたもんねえ。
以前は各地にあったレストラン「エリエール」、だいぶ数も減ったようですが、連結外となった今もこのロゴで頑張ってらっしゃいます。
ちなみに、店内の大きな窓からは讃岐平野が一望でき、のんびりゆったり過ごせそうなレストランですよ。
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近未来的な洗面台
高松空港でトイレに行きたくなったら、レストラン「エリエール」のすぐ向かいにあるトイレをオススメします!
なぜなら、ここのトイレだけ他とはちょっと違うんです。
洗面台がなんかやたら近未来的なんです。それもそのはず…
その水道の蛇口?には「dyson」の文字が。蛇口と手を乾かすハンドドライヤーが一体となっているAirbladeというダイソンの製品のようです。
ダイソンってハンドドライヤーも作ってたんですね。掃除機や扇風機やドライヤーと仕組みは一緒なのかしら。よく見るとちょっと飛行機っぽくもあったりして。
なんかかっこいいわあ、なんて思いつつ手を洗おうと洗面台の前に立ってみると、いったいどこからどうやって水が出てくるのかさっぱりわかりません。でも大丈夫!ちゃんと4か国語で説明された使い方が用意されています。
ちなみにこのダイソンのハンドドライヤー、手順さえわかればすごく使いやすかったです。
手を差し込むタイプのドライヤーとは違って姿勢が自然なままなので楽ですし、洗面台のカランの中で濡れた手を乾かすので広々しててよいです。あとなんとなく乾くのも早かったような。ただちょっと水が飛び散るかな…。
こちらのお手洗いは空港のラウンジ近くに位置しているので、ちょっとイイ感じにしてあるんだそうですよ。
そういえば2階のフロアは、中央のロビーの右手はコンビニやうどん店、ダシ蛇口とちょっと庶民的な感じ、左手が三越の売店、宮脇書店、レストラン、ラウンジ、ダイソントイレとちょっと高級感のある雰囲気ですね。
おっさんおばさん感涙! 懐かしのYS‐11に会える!
ところでこれを読んでらっしゃるあなた、YS-11ってご存知ですか?
昭和の日本が元気だった時代に日本中を縦横無尽に飛んでいた国産の飛行機なのですが、2006年を最後に民間での運用は終了して引退しています。古い機体なので今の法律などに合わなくなってきたのですね。
ですが! 高松空港ではその懐かしのYS-11に会うことができるんですよ~。
最近は国産のジェット機として三菱のMRJが話題になっていますが、ある一定の年代以降の方にはYS-11に思い入れのある方も多いはず。高松空港に行かれた際は是非懐かしい飛行機との再会を果たしてくださいね。
まず、高松空港に隣接している「さぬきこどもの国」という施設には航空会社から譲り受けた古い機体が常設展示されています。
高松空港のターミナルからも黒い鼻をこちらに向けて止まっている機体がよく見えます。日曜日などには中に入ることもでき、コックピットなどを見ることもできるようですよ!
あとですね、今も動くYS-11が高松空港にはいるんですよ!
大阪にある民間の会社が引退したYS-11を今も動態保存しているのですが、実はその機体が高松空港に保管されています。
いつ行っても見られるというものではないと思いますが、ターミナルビルの3階の送迎デッキからちょっと探してみてくださいね。運が良ければエンジンのかかっているところを見られるかも…。
名前は硬派だけどちょっと楽しい高松空港
地方空港ってよくその地方の特徴を名前に織り込んでいたりしますよね。
例えば、
- 高知龍馬空港
- 徳島阿波おどり空港
- コウノトリ但馬空港
- 鳥取砂丘コナン空港
- 出雲縁結び空港 などなど…
けど、高松空港は高松空港。意外と硬派です。
ですが他の空港と比較しても、ただの空港としての機能以上に楽しめる地域性のある施設です。
2014年の高松空港ビル株式会社の社長インタビューによると、非搭乗者をもターゲットにした地域のショッピングモール的な場所にしたいという思いがあったそうです。インタビューを読むと納得、そりゃ楽しい空港なはずですね。
いたるところに讃岐らしさが盛り込まれた高松空港は、帰りの飛行機の待ち時間でもう一度を讃岐の良さを楽しむことができる高松最後の観光スポットです。是非空港内をウロウロして、旅の余韻を味わってみてくださいね。